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名手マーフィー騎手に導かれて。
ディアドラ、初の海外GI制覇達成。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/08/09 07:00
1998年仏GIモーリスドゲスト賞のシーキングザパール以来、2度目の日本調教牝馬の欧州GI制覇となった。
イギリスでの日本馬GI制覇は史上2頭目。
ゲートが開くと果たして考えていた通り、速い流れになった。そこで……。
「前半は無理させず、ゆっくりと行かせました」
それが9頭立てで7番手での位置取りとなった。そのままインで我慢をさせ、経済コースを回ると最後も最内を突いた。そして……。
「ラスト400メートルの時点で中団まで上がった時に、まだ手応えも良かったのでほぼ勝てると思いました」
実際に先頭に躍り出たのはゴールまで100メートルを切ってからだった。最後は2着馬に1と4分の1馬身の差をつけて悠々と先頭でフィニッシュラインを通過した。競馬の本場イギリスで日本馬がGIを優勝するのは2000年にジュライCを勝ったアグネスワールド以来、史上2頭目の快挙となった。
「ディアドラは最後まで良い走りをしてくれました。遠い日本からの遠征で大変な事も沢山あったと思います。彼女の頑張りと、スタッフの優秀さが成し遂げた成果だと思います」
そう言ったマーフィー騎手は、満面の笑みのまま、更に付け加えて、言った。
「日本の皆さんはディアドラの事を誇りに思ってください。彼女はそれだけの結果を残した立派な牝馬です!」