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<交錯する宿命>
佐々木朗希と大船渡旋風1984
「港町の2人のエース」
posted2019/08/10 15:00
センバツ準決勝進出を決め、笑顔で駆けだす'84年の大船渡ナイン。
text by

鈴木忠平Tadahira Suzuki
photograph by
Katsuro Okazawa
2019年、大船渡の町は剛球投手の出現に沸いた。高校生史上最速、163kmの直球を携え、35年ぶりの甲子園へ。風は確かに吹いていた。その姿を見つめる、かつてを知る人々の瞼に浮かぶのは、あの春のセンバツを一人で投げ抜き、ベスト4へと導いた小柄な左腕の残像だった――。(Number984号掲載)
エースは虚空を見ていた。視線が向けられているのは眼前の戦いか、どこか先の未来か、判別がつかない。最後の攻撃。仲間たちが立ち上がって声をあげる中、ベンチに座ったままじっと何かを考え込んでいるような、そんな眼差しだった。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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