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次戦も表彰台に期待かかるホンダ!
ドイツGP快挙の裏側の白熱ドラマ。
posted2019/08/01 11:15
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
表彰台の下で、目頭を熱くして、歓喜する男たちがいた。
第11戦ドイツGP。レッドブルにパワーユニットを供給するホンダが、第9戦オーストリアGPに続いて今季2勝目を挙げた。レッドブル・ホンダのユニホームを着たホンダのスタッフとともに、この日はトロロッソのユニホーム姿のホンダスタッフたちも、表彰台の下に集った。トロロッソ・ホンダを駆るダニール・クビアトが、3位を獲得したからだ。
昨年のトロロッソに加え、今年からレッドブルにもパワーユニット(PU)を供給しているホンダ。
オーストリアGPでの初勝利のときに表彰台の下で歓喜していたホンダのスタッフは、テクニカルディレクターを務める田辺豊治ら首脳陣を除けば、レッドブルを担当するスタッフだけ。そこにトロロッソを担当するホンダのメンバーはいなかった。
だがそれは裏を返せば、ホンダがトップチームのレッドブルだけを見ているのではなく、トロロッソに対しても平等なサポートを行なっている証しだった。
トロロッソとの特別な関係。
4度チャンピオンに輝いた強豪レッドブルと、1勝しかしたことがないトロロッソ。
チーム力だけを見れば、レッドブルのほうが圧倒的に実力があり、規模も大きい。それでもホンダが2チームを平等にサポートしているのは、昨年1年間のトロロッソとの特別な関係があるからだ。
田辺はこう話す。
「ホンダがトロロッソにPUを供給するようになった'18年シーズンから、私はホンダのテクニカルディレクターとして、F1にやってきました。
トロロッソとともにゼロからプロジェクトをスタートさせ、一緒にレースを戦い、私たちはたくさんのことを学び、そして成長させてもらったと思っています。あれがなければ、現在のレッドブルとの関係もなかった」