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内藤哲也がG1優勝から遠のく3敗目。
モクスリーとオカダ・カズチカは無敗。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2019/07/30 08:00
場外戦でも内藤(左)を苦しめたモスクリー。「トーナメントを制するのはオレ」と饒舌だった。
“絶望”に近い内藤の状況。
モクスリーはマイクを握ると興奮気味に叫んだ。
「なにがトランキーロだ。もう、オマエになんか用はない。この勝利の瞬間をこのナゴヤのみんなと共有できてうれしいよ。5連勝だ。オレが単独首位だ。オレの実力を過小評価していたヤツらも、目の前の現実に頭の中が変わったはずだ。みんなオレの後ろを歩いていればいいんだ。
これはオレからメッセージだ。オレから目を離すなよ。オレの前に立ちはだかるヤツはすべて敵だ。叩き潰す。今夜よりも派手にな。このG1クライマックスのトーナメントを制するのはオレ、ジョン・モクスリーだ」
内藤哲也は敗戦の痛みに一言もしゃべることはなかった。ここで決勝戦や優勝という言葉を口にしたところで、現実からはかけ離れている。
リーグ戦は残り4試合で、首位モクスリーとの3つの勝利差、勝ち点で6差を追いつくことはかなり難しいと思われる。残りの4試合を勝ち続けて、後は他力本願的境地でモクスリーの3つの敗戦を祈るしかない。もし、奇跡的に運よく勝ち点で追いついたところで、直接対決で負けているわけだから、実際には絶望に近いのだ。
G1クライマックスはこの後、7月30日、高松。8月1日、福岡。そして8月3日、4日の大阪府立体育館(エディオンアリーナ大阪)2連戦へと続く。
Aブロックの首位は5連勝のオカダ・カズチカ。7月27日のKENTAとの注目の一戦も制して無傷だ。オカダは高松でランス・アーチァー、大阪の初日ではSANADAと当たる。
Bブロックの首位モクスリーは福岡では、矢野通、大阪の2日目ではジェイ・ホワイトと対戦する。