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バドミントン、園田・嘉村ペア。
超低空・高速ラリーで世界を狙う。
posted2019/07/28 11:30
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Getty Images
2016年のリオデジャネイロ五輪では、女子ダブルスで高橋礼華、松友美佐紀が金メダルを獲得し、女子シングルスでは奥原希望が銅メダルを獲得――。
あれから3年、「日本史上最強」とも言われるほどになったバドミントンの日本勢。すべての種目で世界のトップを争う選手たちがいる中で、その一翼を担うのが、男子ダブルスの園田啓悟、嘉村健士組だ。
世界ランキングで3位(7月26日現在)につける彼らは、この数年、着実に結果を残してきた。
2016年12月、年間12大会が開催されるスーパーシリーズの上位8組しか出場できないスーパーシリーズ・ファイナルズに初めて出場し、準優勝。2017年の世界選手権では銅メダルを獲得し、昨年の世界選手権では銀メダルを手にした。
初めて観る人にもインパクトを与える。
園田、嘉村の両者ともに169cmと小柄。ときに190cm前後もある海外の強豪ペアと対戦することもある。ネット越しに戦う競技だから、身長の差は、一般論としては不利になる。その中にあって、伍して戦ってきた。
その原動力は、「超低空」と評されることもある、ライナー性の高速ラリーにある。反射神経を極限まで鍛えたかのような反応で打ち合う目まぐるしいまでのラリーは、初めて会場で観る人にも、インパクトを与えるだろう。そんな魅力あふれるスタイルで、体格差を乗り越えてきた。
2人は今年2月に、そろって29歳の誕生日を迎えた。じっくり時間をかけて、台頭してきたことを意味する。
転機は、出られなかった2016年のリオデジャネイロ五輪にある。熊本県の八代東高校時代でチームメイトだった頃などにダブルスを組んだ経験のある2人が、本格的にスタートを切ったのは、2012年のこと。現在の所属先でもあるトナミ運輸に両者がそろったときだ。以来、ダブルスで活動し、日本代表にもなり、国際舞台でも活躍するようになっていった。