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8種類の変化球を携え世界一へ。
帰ってきた“すごい”ダルビッシュ。
~感覚に結果が追いついてきた~
posted2019/07/29 07:30
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
白星には届かなかったものの、カブス・ダルビッシュ有の表情は、いつも以上に晴れやかだった。後半戦の初戦となった7月12日のパイレーツ戦で、6回2安打無失点8奪三振の快投。6回まで両軍無得点だったため、勝敗こそ付かなかったが、結果的にカブスは競り勝ち、好スタートを切った。試合後、ジョー・マドン監督が「すばらしかった。勝利に値する」と評した通りの内容だった。
前半戦は、苦しい登板が続いた。4月に2勝したとはいえ、制球が乱れ、安定感を欠いた。その間、トレーニングに工夫を加え、映像をチェックしながら課題克服に取り組んだ。その後、好不調の波があった一方で、確かな手応えもつかみ始めていた。5月15日のレッズ戦では、6回途中まで無四球11奪三振。本来の投球フォームを思い起こしていた。特に、軸となる速球の質がアップした。