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ドルトムント戦の0-6から4年後、
川崎がチェルシーに粘り勝てた理由。
posted2019/07/22 11:30
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph by
Getty Images
「またチャンピオンになるんじゃないでしょうか。素晴らしいチームでした。レベルの高い選手がたくさんいて、メンバーが代わっても、やり方が同じ。誰が出ても変わらないですし、チームの底力があると思います」
Jリーグワールドチャレンジ2019の試合後、元ブラジル代表のセンターバックであるダビド・ルイスは、勝利したJリーグ王者をそう讃えていた。
リップサービスも含まれているコメントであったことは否定しない。
しかしダビド・ルイスは、9人まで交代できるレギュレーションで、チェルシーの中でフルタイム出場を果たした唯一のフィールドプレイヤーでもある。最初から最後までピッチに立ち続けた彼だから感じる何かもあったはずで、その意味では興味深い証言だった。
――善戦して終わるのではなく、勝ちにいく。
指揮官である鬼木達監督のスタンスは、実に明確だった。世界的ビッグクラブとの一戦を、単なるエキシビジョンマッチとして消化するのではなく、公式戦さながらに勝負にこだわった。それによって得られる経験が必ずあるからだ。
ランパード新体制のチェルシー。
もちろん、公式戦ではない以上、チェルシーの本気度が読めなかったところはある。
ただランパード新監督が就任した直後だからこそ、ポジション争いの最中にいる選手の目の色は変わるという見立てもあったという。
2015年の7月に対戦したドイツの強豪であるボルシア・ドルトムントとの親善試合を引き合いに出しながら、この一戦の展望をこう語っている。
「ドルトムントの時も、監督が代わってからの1発目でした。よく調整だと言われますが、選手はそういう気はないと思ってます。監督が代わったタイミングだと、どれだけアピールするかになる。今回は厳しい戦いになるんだろうなと思いますが、逆にそれはありがたいです」(鬼木監督)