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EU離脱、南北統一の狭間で……。
マキロイが68年ぶり母国での“全英”。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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posted2019/07/17 07:00

EU離脱、南北統一の狭間で……。マキロイが68年ぶり母国での“全英”。<Number Web> photograph by Getty Images

今年のホストとなるロイヤルポートラッシュGCは、マキロイが名を売ったノース・オブ・アイルランド選手権が行われたコースだ。

「アイルランドのためにプレーしたい」

 今大会にかける母国からの期待は大きく、もちろん地元選手の士気もこれ以上ないほどに高い。中でもスタープレーヤーであるマキロイは特別だ。彼の動向はそのルーツから、ゴルフというひとつのスポーツの枠を超えた賑わいを見せてきた。

 北アイルランド出身選手は、五輪で英国とアイルランドのどちらの代表選手として出場するか選択を迫られる。一昨年の初めの段階で、マキロイはジカ熱への心配を理由に辞退した'16年のリオデジャネイロ五輪に続き、東京五輪も欠場する可能性も示唆していたが、今年5月の全米プロで態度を一変。

「オリンピックに出たい。アイルランドのためにプレーしたい。小さい頃からの夢だった。表面的なものではなく、僕が何を本当に大切にしてきたかをずっと長い間考えてきた上で出した結論だ」という意思表明はゴルフ界のトップニュースになった。

 加えて、長引く英国のEU離脱問題が今後さらに複雑な状況を呼びかねない。アイルランドの南北の境界は離脱における最大の障壁ともされ、あるいは南北統一に向けた動きが加速しても、多くの血が流れた歴史が暗い影を落とす。そして英国を取り巻く政治・経済の情勢は将来、160年近い歴史を誇る“全英”オープンにも今後影響をもたらすのか……。

 日本のわずか27分の1の国土から生まれた4人のメジャーチャンピオンたちは、そのたびに時代の当事者にもなる。

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