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レアル久保建英のデビュー戦は?
開幕前に示したい“近い未来”。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byAFLO
posted2019/07/18 17:00
現地メディアにも取り上げられることが増えてきた久保建英。出場予定のICC(7月21日~)で可能性を示すことができるか。
本人は過剰報道を嫌うが……。
そもそもこの半年間の変化は、じっくり考察しながら追えるほど悠長なものではなかった。
FC東京での開幕スタメンとレギュラー定着。日本代表初選出とレアル・マドリーへの電撃移籍。18歳の誕生日を迎えた6月には日の丸を背負ってコパ・アメリカに出場し、南米王者を決する真剣勝負の舞台で、そのレベルに遜色ない躍動感を示した。
「まだ“結果”を残していない自分が」と過剰報道を嫌う本人や周囲の気持ちはよく分かるが、過剰なまでに取り上げたくなる報道サイドの気持ちも理解できる。
もしかしたら、今まで誰もたどり着くことができなかった世界に到達するかもしれない。ピッチで見せる単純な技術ではなく佇まいや雰囲気に、そんなワクワク感を抱かせるパワーが久保にはある。
出場濃厚のICCは大きなテストの場。
さて、レアル・マドリーが参戦するICC(インターナショナル・チャンピオンズ・カップ)は、久保にとってはその可能性が精査される大きなチャレンジとなりそうだ。
2013年からスタートしたICCは欧州サッカーのシーズン開幕前に行なわれる親善大会で、2019年はレアル・マドリーを始め、ユベントス、アーセナル、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッド、バイエルンなど12チームが参加し、アメリカやイギリス、中国やシンガポールなどの5カ国16都市で開催される。
日本の報道によれば、チーム関係者が「タケは3試合全部に出場する予定だ」と話しているとのこと。21日(日)、日本時間午前9時にキックオフとなるバイエルン戦でのデビューが濃厚と見られており、続く24日のアーセナル戦、27日のアトレティコ・マドリー戦でもピッチに立つ可能性が高い。
今回の遠征には選手29名が帯同されているからメンバー構成は流動的だが、久保を含む若手選手、特にカスティージャからこの遠征に同行している5選手にとって「テスト」の意味合いが強いことは間違いない。久保に限らず、この3試合で結果を残せば、シーズン開幕をトップチームの一員として迎える可能性もゼロではない。