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ヴェルディ育ちが海外修行を経て。
東京V澤井「安西らの活躍は刺激」
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byTetsuro Kaieda
posted2019/07/14 08:00
東京ヴェルディに復帰した澤井直人。第23節からの出場となるが、チームを上昇気流に乗せる奮闘に期待したい。
仲間意識が芽生えたところでの退団。
5月17日、リーグドゥの2018‐19シーズンが終了。澤井の残した数字は8試合1得点。アジャクシオのレオン・ルチアーニ会長の部屋に呼ばれたのは、最終節の1週間ほど前だ。
「今季、われわれのクラブでプレーしてくれて、どうもありがとう」
そう言って、右手を差し出された。
「この結果では引き留められることはないだろうと思っていましたが、実際そうなってみると悲しかったです。ヴェルディを離れるときは期限付き移籍で、自分にとってはこれが初めて経験する別れだったので。アジャクシオのチームメイトとも仲間意識ができて、自分に向けられる目は1年前とまったく違っていました」
来季の契約がないと通達されたほかの選手は、すぐさま荷物をまとめて去っていく。澤井は最後まで残り、1人ひとりと挨拶を交わして帰国の途に就いた。
ライバルたちの活躍を刺激に。
5月24日、東京Vへの復帰が発表された。7月20日のJ2第23節、ホームの愛媛FC戦から出場が可能となる。
「2017年は大けがで1年間試合に出られず(右足アキレス腱の断裂)、2018年は4試合だけ。この2シーズン、サポーターにはがっかりさせっぱなしですから、なんとしても試合に出て結果で示さないと。ユースの同期たちの活躍は最大の刺激です。自分も負けてはいられない」
澤井は東京Vユースで10番を背負い、苦楽をともにした安西幸輝と畠中槙之輔は今年になって日本代表に選出された。今夏、安西は鹿島アントラーズからポルトガル1部のポルティモネンセSCへの移籍が決まったばかりだ。
いつの日か欧州再挑戦を胸に秘め、澤井は明日のピッチを駆けてゆく。