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サニブラウンの隣にいた「あの人」。
記録を支える兄貴的存在への信頼。 

text by

及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

PROFILE

photograph byTsutomu Kishimoto

posted2019/07/02 11:50

サニブラウンの隣にいた「あの人」。記録を支える兄貴的存在への信頼。<Number Web> photograph by Tsutomu Kishimoto

サニブラウンと、アントワン“兄貴”。彼の成長には、フロリダ大の存在が大きく関わっている。

街を歩き、サニブラウンの注目度に驚き。

 6月の全米大学選手権で9秒97を出し、帰国時から大きな注目を集めたサニブラウン。街を歩くたびに声をかけられ、試合会場ではメディアやファンから大きな注目を集めている。異様とも言える光景だ。

「ハキームのように注目を集める選手と一緒に行動したことがないので、正直びっくりした」

 アントワンはそう話すが、2人とも浮き足立つことなく、自分たちのやるべきことをしっかり行った。ホロウェイコーチも「注目の多い特殊な環境でもハキームもアントワンも大丈夫」と話す。

 アメリカとは勝手の違う環境下でも結果を出せたのは、コーチ同士、そしてコーチと選手に信頼関係があるからこそ。

「アントワンは練習も試合もずっと見てくれているし、とても信頼しています」とサニブラウン。

 ホロウェイコーチはかわいい愛弟子2人がきちんと結果を出したことに「2人ともよくやった。まずは勝ったことを評価したい。走り自体にはまだまだ課題があるけれど、それはアメリカに戻ってきてからじっくり修正するよ」とご機嫌の様子。

 彼らは今後、ドーハ世界選手権まで3人4脚を続けていく。ベテランのホロウェイコーチ、若手のボランティアコーチのアントワン、そして20歳のサニブラウンがどんなケミストリーを生み出していくのか楽しみに見守りたい。

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