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ノムさんがボヤキ、エモやんが叱る。
阪神の「矢野ガッツ」が謎の論争に。

posted2019/06/30 08:00

 
ノムさんがボヤキ、エモやんが叱る。阪神の「矢野ガッツ」が謎の論争に。<Number Web> photograph by Kyodo News

ベンチも一体となって喜びを共有する今季の阪神。選手にも浸透する「矢野ガッツ」は、清水ヘッドコーチ(中央)の提案で導入された。

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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 スポーツ紙の記事が「大きくなっていく」ことがある。

 たとえばこちら。阪神・矢野燿大監督と野村克也氏が面会したという記事。

『試合中ガッツ ノムさんボヤく』(スポーツ報知6月24日)

 阪神元監督の野村克也氏がテレビ収録で23日に甲子園球場を訪れた。矢野監督は“愛弟子”なので言わば激励訪問だ。

 ノムさんは「(シーズンは)ちょうど半分。チャンスはいくらでもある」と“激励”。そのあと矢野監督が試合中によく見せるガッツポーズについてコメントを求められたのだろう。

《「大反対。試合中に万歳してるようじゃダメだ。ゲームセット、勝った、万歳。それならOK。勝って万歳せい」。“ボヤキ”も忘れなかった。》

 恒例のノムさんのボヤキ。小さい記事だったが面白く読んだ。

いつの間にか「消滅危機」に。

『日刊スポーツ』も同じくらいの小ささだったが『ガッツ矢野監督 大監督なれない ノムさん一刀両断』(6月24日)。

 一刀両断と書いているが記事の前半を読むと《「甲子園というのは俺の野球人生、大失敗だから」と自虐ネタで笑わせた》とあり、いつものノムさんの雰囲気が窺える。

 ところがこの「矢野ガッツ」ネタ、次第に転がり始めるのだ。

『「矢野ガッツ」消滅危機 エモやんに続きノムさんもダメ出し』(東スポ6月25日)

 いつの間にか消滅危機になっていた。

「今度は野村さんですか…。矢野監督のガッツポーズについては以前も江本さんら大物OBから『高校野球じゃないんやから。相手にも印象が悪い』とか言われてきた。今はまだ勝てているからその見方も少ないが、今後負けが込みだすとそんな意見も多くなる…」(球団関係者)

【次ページ】 最後は商売ネタで落とす東スポ。

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