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群馬・布啓一郎vs.鳥取・高木理己。
市立船橋「師弟対決」で溢れた思い。 

text by

渡辺功

渡辺功Isao Watanabe

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photograph byIsao Watanabe

posted2019/06/13 07:00

群馬・布啓一郎vs.鳥取・高木理己。市立船橋「師弟対決」で溢れた思い。<Number Web> photograph by Isao Watanabe

“師弟対決”は群馬・布啓一郎監督(左)に軍配。試合後、言葉こそ多くなかったが、両者は握手で健闘を称えあった。

北嶋が知る指導者としての素養。

「布先生に誘っていただいたんです。それ以外ないです。『お前来い』、『はい』で終わりでしたけどね(笑)。どうして自分が誘われたのか? 理由は聞いたことないですね。というか畏れ多くて、そんなこと聞けないです」

 とは言うものの、同級生の北嶋によれば、高校時代から高木に指導者としての素養を感じることがあったそうだ。

「とにかく人望のある奴だった。試合に出ている・いないに関わらず、周りのことが気遣える。そういうところを持っていた。勉強家だし、いろんなことに興味をもって、いろんな知識も持っている。いま自分もコーチになってみて、やっぱり人の気持ちが分かる奴じゃないと、指導者はやれないと思うんです。アイツは何よりそこがスゴいんです」(北嶋)

大木武監督が招聘し、京都コーチに。

 母校のコーチを3年間務めたのちに、山梨学院大学附属高校の監督や帝京第三高校のコーチを歴任。指導力不足や挫折を痛感することもあったと聞くが、この山梨県内の高校の指導をしていた時期に、当時ヴァンフォーレ甲府の監督をしていた大木武(現・FC岐阜監督)との出会いがあった。

 すると2011年、大木が京都サンガの監督に就任する際、高木をコーチに招聘。これを機にプロクラブでの指導生活がスタートした。

 その後、鳥取で松波正信監督、湘南ベルマーレではチョウ・キジェ監督のもとコーチを務め、'17年からは鳥取U-18監督に就任。そして今回、トップチームの監督を任されることになった。

「京都の契約が終わったときに、S級ライセンスを持ってないと、仕事が限られるんだという現実を実感しまして。トップチームの監督を考えていたというより、生活していくためには、S級を取りに行かないとダメだなと思ったのが正直なところ(笑)

 とはいえ、S級ライセンスを取りにいった時点で(トップチームの監督の)可能性もあるのかなと。鳥取の一員としてライセンスを取らせてもらった以上、いつかそういう話が来てもいいようにと、気持ちの準備はしていました」

【次ページ】 恩師との対決も、私情はなし。

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