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トゥーロンのオレ達を忘れるな。
コパ組の第2グループ扱いに反骨心。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byMEXSPORT/AFLO
posted2019/06/10 11:10
久保建英も堂安律もいない。注目度は高くないのかもしれないが、グループステージ1位突破を果たしたのは大きな収穫だ。
横内監督代行が口にした感謝。
A代表で指揮を執っている森保一監督に代わって、今大会のチームを率いる横内昭展監督代行は、煽らずともギラつきをひしひしと感じさせる選手たちに対して感謝の言葉を口にした。
「コパ・アメリカに、東京五輪世代の選手が入っていることは彼らも理解している。そして、自分もそこに身を置きたいと思っていると思う。そういった上で、この大会の重要性というのをみんなが本当にわかっている。本当に練習から取り組む姿勢が素晴らしくて感謝しています」
コパ・アメリカに呼ばれている選手たちより、自分たちの方ができるところを見せてやる――。「今からでも遅くないからオレを呼べ」と言わんばかりに、選手ひとりひとりが強い思いで日々のトレーニングに励んでいる。
その思いが積み重なって一体感を生み出し、まだ世代別代表に慣れていないメンバーがいる中でも強固なチームを構築しているのだ。
「優勝することこそがアピール」
森保監督体制になって初めてU-22日本代表に参加している舩木翔(セレッソ大阪)は、今大会の意義をこのように話している。
「ここで結果を残すことが、次につながると本当に思っている。コパ組が帰ってきた中でも自分が残っていけるチャンスを得るために、ここでまず勝って優勝することこそがアピールになると思う」
振り返れば、トゥーロン国際大会の最高成績は松井大輔や山瀬功治、阿部勇樹らが活躍した'02年の3位が最高。前述の'08年は北京五輪への出場を2カ月後に控えた中で挑み、本田や岡崎慎司らが出場して4位という好成績を収めているが、いまだ決勝に進んだことはない。
今大会は東京五輪世代のベストメンバーではないかもしれない。それでも南仏の地で各大陸の強豪と対峙している男たちは、次なる舞台で歴史を塗り替えられるチャンスを手にしている。