サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
トゥーロンのオレ達を忘れるな。
コパ組の第2グループ扱いに反骨心。
posted2019/06/10 11:10
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
MEXSPORT/AFLO
日本のサッカー界がなにかと忙しい。
5月下旬からポーランドでFIFA U-20ワールドカップが行われ、6月初旬には日本でキリンチャレンジカップが開催。7日にフランスでFIFA女子ワールドカップがスタートし、14日にはブラジルでコパ・アメリカ(南米選手権)が開幕する。
世代別代表を含めた男女の代表チームが世界の強豪国としのぎを削る。ファンにとっては寝る間も惜しんでサッカーを楽しめる最高の季節と言っていいだろう。
そして、もう1つ。フランス南部に位置する同国最大の港湾都市マルセイユ近郊で、どこよりも熱く、ギラついた雰囲気で国際大会に挑んでいる男たちがいる。
それこそがトゥーロン国際大会に臨んでいるU-22日本代表である。
コパ・アメリカからこぼれた選手。
来年に迫る東京五輪に向けた日本代表。すなわちU-22日本代表は、今大会に挑むにあたって少し特殊な形でチーム編成を行った。
と言うのも、14日に開幕を迎えるコパ・アメリカに挑むA代表に、これまで東京五輪世代の中心を担っていた多くの選手たちを招集。コパ・アメリカを東京五輪への強化を見据えた大会として位置づけた上で、このトゥーロン国際大会には、そこに入りきらなかった選手たちが名を連ねることになった(ハンブルガーSV所属の伊藤達哉のみ両代表に招集されている)。
言い方が悪くなるが、いわゆる主力を外した第2グループ。それが今大会に挑むU-22日本代表の内実である。
このタイミングで初招集となった選手。久しぶりに代表に呼ばれた選手。これまで多くの大会に呼ばれているが、コパ・アメリカには招集されなかった選手。今大会に臨む選手たちの胸中には様々な思いが去来している。
例えば、森保監督体制下で初招集となった田中碧(川崎フロンターレ)は「あまりコパに対して意識することはない。僕自身はこの大会で優勝して終われればいい、という気持ちでやっている」と目の前の結果を出すことを最優先にしている。
また昨年11月以来の招集となった神谷優太(愛媛FC)は「そこまで焦る必要はないかなというのもある。ここで結果を残せればポンポンと上に行ける。見ている人は見てくれていると思う。焦らずにじっくりやりたい」と平常心を強調している。まずはこのチームでどれだけ自分自身が結果を残せるかに焦点を置いているのだ。