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石川祐希、柳田将洋を活かすために。
代表セッター関田誠大が誓う進化。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byPaolo Nucci/AFLO
posted2019/05/15 11:30
昨年9月の世界選手権に出場した関田は「僕たちがベストなプレーをすれば決して戦えない相手じゃないと感じた」と話した。
先輩・柳田「強気なセッター」。
東洋高校時代、関田とともに全国制覇を果たした日本代表の柳田将洋は関田をこう評する。
「ひと言で言うと強気なセッターだと思います。トスワークも強気。1度決まらなかったポジションにあえてもう1度上げたりしますよね。トスに勢いがあるので、試合中、彼の上げた場所にアタッカーが入らされるような感覚を受ける場面は何度もあります。僕らアタッカーは彼が上げた場所に飛び込んで打てば、良い結果が生まれる。本人が勝負を追求してトスを上げているからだと思いますね」
負けん気の強さに加え、アタッカーを生かすトスが関田の特徴だろう。そのため、関田にとっては本意ではないかもしれないが、スターティングメンバーのセッターが仮に崩れたときに、試合を立て直す役割を任される場合がこれまでは多かった。
世界で勝つために必要なこと。
中垣内祐一監督は今年度の戦いについて「クイック、パイプ(中央からのバックアタック)などのセンター線の攻撃力を高め、早い攻撃に磨きをかけたい」と抱負を述べたが、昨年度までの代表の戦いを見る限り、柳田、石川祐希がサーブで崩され、守備力を重視して交代。そのために中央からのバックアタックが激減し、攻撃の選択肢が減るという課題を抱えていた。
選手交代によって1人、攻撃の枚数が減ることについて関田に尋ねると、こう答えた。
「確かに攻撃の枚数が1枚減るのは痛いし、多少なりともマイナスにはなりますね。攻撃力で相手に劣る部分は出てくると思います。柳田さん、石川らが崩れないよう強くなることが1番なんですけど、僕は2人以外のアウトサイドの選手がもっと2人を脅かすくらい力をつけていかないと、世界では勝てないと思います」