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マスターズ最終日を戦った金谷拓実。
差を感じ、ホールインワンにしびれ。 

text by

桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byAFLO

posted2019/05/08 07:00

マスターズ最終日を戦った金谷拓実。差を感じ、ホールインワンにしびれ。<Number Web> photograph by AFLO

マスターズの地をアマチュアで踏むことの意味は大きい。金谷拓実は松山英樹のあとを追うことができるか。

「何が足りない、というのではなく」

 オーガスタで噛みしめたのは、甘美な体験だけではない。現実も突き付けられた。予選は通過できたが、「プレーしていても、どれだけ調子が良くても、優勝争いができるという自信はない。何が足りない、というのではなく、全部が足りない」とも思い知らされた。

 最初から予選通過を目指すスコアメークと、優勝をターゲットにしたゴルフは同じではない。目標が高くなればなるほど、リスクを伴うプレーが都度求められる。綺羅星のように輝く若手も、決勝ラウンドに進出しただけで評価される時期はいつか終わるし、きっと、そうでなければならない。

 先輩の松山は8年前、オーガスタを去るときに「ここにまた来たい。来なくちゃいけない」と強く胸に誓い、現在の姿に至る。

 そして金谷もまた「これを財産にしないと、何のために来たのか……となる。5年後、6年後に振り返って、『あのとき来て良かったな』という日々を過ごしたい」と言った。

 再始動となった日本ツアー・中日クラウンズでは1アンダーでベストアマに輝いた。5月23日は21歳の誕生日。7月には全英オープンで再びメジャーに挑戦することが決まっている。「まだまだ先は長い。高校に入ってから、ここまであっという間の5年だった。これからも、1日1日負荷がかかるんじゃないかなと思う」。夢舞台を背にして、覚悟はいっそう強くなった。

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