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伊東純也のルーツをベルギーで直撃。
「プロの壁を感じたことはなかった」
text by
菊池康平Kohei Kikuchi
photograph byKohei Kikuchi
posted2019/05/04 11:30
ベルギーで取材に応じた伊東純也。「IJ」のニックネームで愛されたレイソル時代のような突破をベルギーで見せてほしい。
カタールW杯は「ラストチャンス」。
この大会での日本代表の結果は芳しいものではなかった。
「韓国に大敗したり、あの大会では、負けたネガティブなイメージが強いです」
その後、代表では出場機会が訪れず、W杯メンバーからは落選した。それについても、伊東はこう淡々と振り返る。
「ロシアには行きたかったけど仕方なかったかな。挫折ってほどではないですが、その時は選ばれるほど活躍していなかったかなと思います」
伊東の状況が大きく変わったのはW杯後だ。森保一監督が就任してからは直近の親善試合以外は全て招集されており、アジアカップのメンバーとしても戦った。そしてベルギーに渡って実績を積み重ねている今、カタールW杯を意識しているはずだ。
「年齢的にもラストチャンスだと感じています。今から競争は始まってると思うので、ずっと呼ばれるようにベルギーや代表で結果を残したいです」
ベルギーでの日々で感じること。
代表での主力、そしてW杯メンバーを目指すうえでは、ベルギーでの活躍が不可欠だ。
「色々な国やタイプの選手と毎日練習していますし、練習もハードですが充実しているので、ここでやることで間違いなく成長できると思います。メンタル面やフィジカル面でもです」
頼もしさを感じさせる一方で、1人でベルギーの地で戦うことに、いくばくかの寂しさも感じている。
「日本では1人でいるタイプではなかったんです。仲間と会って話したりするのが好きでしたからね。こっちに来てからはまだ言葉もわからないし、1人で家にいる時間は長いです。言葉は勉強中です」
語学面についてはヘンクでの課題の1つだ。チーム内の言語は英語であるが、ベルギー人同士だとオランダ語で話している。また普段の生活でもレストランのメニューの表記などがオランダ語なので、その都度スマホで調べてオーダーしているのだという。