【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
「スポーツで街を活性化」とは何か。
池田純がさいたまに感じる可能性。
posted2019/05/07 07:00
text by
池田純Jun Ikeda
photograph by
AFLO
平成から令和へと元号が変わる今年、私も新しいスタートを切っています。
4月から本格的に動き出した「さいたまスポーツコミッション(SSC)」の会長に就任して、さいたま市をスポーツで活性化させる仕事に取り組むことになりました。
このSSCは、(1)スポーツイベントや大会の誘致と開催支援、(2)ツール・ド・フランスの日本大会「さいたまクリテリウム」の開催と自転車を活用した街づくりと自転車文化づくり、そして(3)アリーナなどのハードとスポーツ及びエンタメの融合を通じて、スポーツの振興と街づくりを目指す組織です。
さいたま市をスポーツでブランディングして、スポーツを活用した地域活性化、地方創生のモデルケースにしていきます。
私は2017年の12月からさいたま市のスポーツアドバイザーを務めていて、市との1年半に及ぶ関わりの中で、さいたま市の可能性と、さいたま市の「スポーツで地域活性化」を図ろうとする意識の高さを実感しているところです。
浦和レッズや大宮アルディージャといったJリーグのクラブや、埼玉大学、地元企業と提携するとともに、国際的なイベントや高齢化社会を見据えたスポーツイベントなど、日本のスポーツ都市をリードするような、先進的なイベントや大会をプロデュースしていくことになります。組織的にはこれから5年の間に民間性を強め、株式会社化することをさいたま市と私で企図しています。
活力というのは、つまり人口の話。
では、「スポーツで街が活性化する」とは一体どういうことなのでしょうか。
街が活性化しているかどうか、活力があるか、その指標となるのは結局、「人口」の話だと私は考えています。この「人口」というのは、その街に家があって住んでいる人だけでなく、外からやってきて時間を過ごす人も含まれます。人がその街で時間を過ごせば、コミュニケーションが生まれ、経済が動く。交流人口や観光人口がどんどん増えていくことが、街の活性化の鍵になります。
そして、外から人に来てもらい、交流人口や観光人口が増えるにあたって、スポーツは極めて大きな力を発揮します。
さいたまには『ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム』『さいたま国際マラソン』のような大規模なスポーツイベントもありますし、県全体でもプロ野球やJリーグ、Bリーグ、Tリーグも多くの有望なチームを抱えています。それらのチームや競技と連携し、地域にスポーツ文化を広げていくことも、スポーツコミッションの役割の1つになっていくでしょう。