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ウッズが得た「一番幸せな優勝」。
なぜ彼の雰囲気は変わったのか。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2019/04/16 11:40
2018年のツアー選手権に続き、マスターズを制したタイガー・ウッズ。彼の完全復活をどれほどの人が信じていただろうか。
「一番大変な優勝」が「一番幸せな優勝」に。
そして何より、マスターズという大会が存在し、輝いていた若きウッズも、輝きを失っていたころのウッズも、再び輝こうとしていた復帰途上のウッズも、どんなウッズをも受け入れてくれたこと、待っていてくれたこと。
そうした要素要因がすべて絡み合い、ウッズを押し上げてくれた。
「すべての大会に意味がある。初出場した'95年大会。初優勝した'97年大会。あれから22年後の今、すべてが一緒になり、花開いた」
花開いたその日、その場所で、ウッズは1人ではなく、たくさんの人々に囲まれていた。
「ここに、このオーガスタに、家族がいて、みんながいて、その中で勝つことができた。僕はこの日を決して忘れることはない」
最上級の幸せを胸に刻んだ日。
「一番大変な優勝」は「一番幸せな優勝」になった。そんなドラマを見守った世界中の人々も、ウッズとともに心を震わせ、最上級の幸せを授かった――。