ゴルフPRESSBACK NUMBER
開幕前に10kg減量して初日は首位。
ケプカがしたマスターズへの準備。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2019/04/12 17:30
2017年、2018年とメジャー勝利を手にしているブルックス・ケプカ。1年前と見比べると、確かに引き締まっている。
常識とは違う方法でメジャーを勝った。
そうやって、あれよあれよという間にメジャー3勝の強者へ、世界ナンバー1へと登り詰めていったあのころ、ケプカがメジャー大会の直前に行ったことは「馬のカイロプラクターを訪ねること」「体重を減らして、すっきりした自分になること」だった。
それらは、ゴルフ解説者らが「いい準備ができている」と褒めるような、お決まりの「メジャー大会の前にやるべきこと」からは、かけ離れていた。むしろ前例もなく、リスキーかもしれず、「今、そんなことはやらないほうがいい」とも言われそうな型破りの行動だった。
しかしそれらが功を奏したからこそ、ケプカはあの夏、メジャー大会を続けざまに2つも制覇できたのだ。
「どのメジャーも僕の備え方は同じだ」
「風はあまりなく、グリーンはソフトでスコアを作りやすかった」とマスターズ初日を振り返ったケプカ。この日のオーガスタをノーボギーで回ったのは、唯一、ケプカだけだった。
「これまで僕が挑んだメジャー大会の全ラウンドの中で、今日は最高のボール・ストライキングができた」
満足そうにそう振り返ったケプカに、米メディアは「どんな準備をした結果、そうできたのか」と問いかけた。
「どのメジャーも僕の備え方は同じだ。とてもシンプルな話。余分なストレスを(自分に)加えないということさ」
周囲の声に惑わされず、オーガスタ入りしてからは「月曜から水曜までリラックスすることに努めた」。
そして、飛距離や技術的なことではなく、「ちょっとしたことに神経を向け、集中する」。それはケプカが性格的に自然にそうできることではなく、あえて「そうしようと努める」ことなのだそうだ。