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開幕前に10kg減量して初日は首位。
ケプカがしたマスターズへの準備。
posted2019/04/12 17:30
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Getty Images
今季最初のメジャー大会、マスターズ・トーナメントが開幕。初日にブルックス・ケプカ(米)が首位に立った姿を見て、怪訝な顔をした人が少なくとも1人は居たはずだ。
というのも、ある米ゴルフ解説者は、ケプカが減量に挑み10キロ以上も体重を落としたことを開幕前に手厳しく批判していたからだ。
「体のバランスが崩れ、スイングに悪影響を及ぼす。優勝を期待されるアスリートがメジャー大会の前にやるべきことではない」
そんな批判を耳にして、思わず私はこう問うてみたくなった。「それならば、メジャー大会の前に『やるべきこと』とは、どんなことですか?」と。
マスターズをどうやって迎えるか。そこに「こうです」という規則や決まりはないはずだ。大会前に「やるべきこと」に定型はなく、人それぞれであっていい。ケプカが自分の意志であえて10キロ減量に挑み、それが達成できたのなら、それは批判されるどころか、むしろ「いい兆候」と言えるのではないか。
そう思っていた矢先、ケプカが初日に6バーディー、ノーボギーの会心のゴルフを披露し、6アンダー、66をマーク。ブライソン・デシャンボーとともに首位タイで発進した。
不調に「体重減少のせいだ」と批判が集まる。
メジャー3勝の実力者、28歳のケプカが昨秋から24ポンド(10.88キログラム)も減量したことを明かしたのは今年3月の半ばごろだった。
昨年10月に韓国で開催されたCJカップ・アット・ナインブリッジズで米ツアー通算5勝目を飾ったケプカは翌11月から減量に挑み、今年はすっきりした姿で試合に臨んでいた。
とはいえ、米ツアーでのトップ10入りは3月上旬のホンダクラシックの2位タイのみ。アーノルド・パーマー招待は予選落ちを喫し、プレーヤーズ選手権は56位タイと低迷。マッチプレー選手権でも勝ち進めず、成績は振るわなかった。
そんなケプカを見て、不調の原因は「体重減少のせいだ」「飛距離が落ちた」と批判する声が米メディアなどから上がった。
実際、ケプカの米ツアーにおける平均飛距離は2018年は313.4ヤードで8位だったが、今季は3月時点で307.9ヤード、16位まで後退していた。