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ロッテ藤原恭大「1つでも先の塁を」。
開幕スタメンで刻んだ記録と記憶。
 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byKyodo News

posted2019/04/03 11:30

ロッテ藤原恭大「1つでも先の塁を」。開幕スタメンで刻んだ記録と記憶。<Number Web> photograph by Kyodo News

1番センターで開幕スタメンを飾った藤原恭大。7回に自慢の脚力を生かして内野安打を記録。

「レギュラーを獲れる選手に」

 開幕3連戦で10打数1安打。数字だけで判断すればインパクトは薄い。しかし、青山、美馬と楽天投手陣の中心を担う選手をはじめ、藤原は素質の高さを印象付けた。

 初安打後、報道陣に記録のことを尋ねられた藤原は、「まだまだ力不足。1試合、1試合、成長してきたい」と課題を認識しながらも、成長した先にある自分を思い描いていた。

「名前を残せて嬉しい気持ちはありますけど、まだまだこれからなんで。もっと力をつけて、レギュラーを獲れる選手になりたいですね」

 今の藤原には余韻に浸る暇などない。ただ、そのデビューは記録と記憶に刻まれた。藤原に記念すべき1打を許してしまった青山は、「悔しいっちゃ、悔しいですけどね」と、少しだけ口元を歪ませながらも、悲観なくこのように結んでいた。

「15年、20年後に藤原君が2000本安打を達成したら、初ヒットの映像に必ず自分が映りますからね。もう打たせる気はないですけど、まあ、今回は良しとします」

 まだプロの第一歩を踏み出したに過ぎない。だが藤原には、偉大な記録すらも現実味を抱かせてしまうだけの壮大なスケールがある。

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