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八村塁、NCAAのベスト8で無念の敗退。
「このチームが好きだった」 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byYukihito Taguchi

posted2019/04/02 17:30

八村塁、NCAAのベスト8で無念の敗退。「このチームが好きだった」<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

八村塁はテキサステック大戦でも22得点を決めた。今後控えるNBAドラフト、バスケW杯へ注目は続くだろう。

勝利に導く会心のアシスト。

 序盤で主導権を取ったゴンザガは、試合を通して終始リードを取っていたが、フロリダステイトもすぐ後を追っていた。後半、相手ディフェンスの前にフィールドゴールが決まらない時間帯があったが、そのたびに、八村が起点となって得点を取った。

 残り8分42秒、2桁点差だったのを8点差に詰められた直後には、ディフェンスの裏をつくバックドアプレーからのダンクを決めた。さらに、残り4分11秒に相手のフリースローで4点差に詰められ、流れを変える必要があったときには、ドリブルで攻め込んでからのパスアウトでザック・ノーベルの3Pシュートをアシスト。

「相手も(自分たちの得意とする攻撃が)わかってきて、僕とかBC(ブランドン・クラーク)がドライブするとパッと縮まってきた。このチームはいいシューターがいっぱいいるので、しっかりとパスできた」と、八村にとっても会心のアシストだった。

 結局、ゴンザガは72-58で勝利し、エリート8進出を決めた。シーズンが始まる前から目標としてきたファイナル4の舞台まで、あと一歩のところまで近づいていた。

エリート8の一方で抱いた寂しさ。

 その夜、エリート8進出の喜びのなかで、八村は少し寂しい思いも抱いていた。NCAAトーナメントで決勝まで行ったとしても、このチームで戦えるのは残り3試合だということに気づいたからだった。

「(このチームで)多くてもあと3試合しかないって考えて、ちょっと悲しくなってしまった」と八村。シーズン中に何度か全米ランキング1位になった今季のチームは、結束力も強く、共に過ごした時間は楽しい思い出ばかりだったのだ。

「やっていてすごい楽しい。バスケだけじゃなくて、外にいてもずっといっしょにいても楽しい。いろんな人がいて、いろんな話も出てきますし、バスケでもいろんなプレーが出てくる。チーム力ではどこにも負けないんじゃないかな」と嬉しそうに語った。

 そんな特別なチームで1試合でも多く戦い、チームメイトたちと1日でも長く過ごすためには、勝ち進む以外なかった。それも、モチベーションとなっていた。

【次ページ】 エリート8では審判の判定に……。

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