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イタリアを変えるユーベの19歳FW。
W杯を逃す失態はもう許されない。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2019/04/03 17:00
EURO2020へ向けた予選で2連勝スタートのイタリア代表。北西部ヴェルチェッリ生まれの19歳ケアンはユベントス下部組織で育った。
19歳に感化された36歳のベテラン。
指揮官は予選初陣での3トップ中央にFWチロ・インモービレ(ラツィオ)を、左にはFWフェデリコ・ベルナルデスキ(ユベントス)を置いた。ケアンは右ウイングで先発させたが、本当の見立てはやや異なる。
「問題なくサイドアタッカーもできる。だが、ケアンは紛れもなくセンターフォワードだ。若いがとてつもないプレーのクオリティを持っている。思い切りがいいし、そこが彼の強みだ」(マンチーニ)
リヒテンシュタイン戦でケアンのヘディング弾をアシストしたのは、セリエA得点王レースを引っ張るFWファビオ・クアリアレッラ(サンプドリア)だった。自身も2本のPKを決め、36歳54日で代表史上最年長得点記録を更新した大ベテランは、17歳年下のケアンに大いに感化されたらしい。
「36歳になったが歳は感じてない。体は動くし、招集のチャンスをくれたマンチーニ監督に感謝したい。代表でのゴールは特別だよ」
激化する“9番”の争い。
今予選ではわずかな出番しかなかったレオナルド・パボレッティ(カリアリ)やケビン・ラザーニャ(ウディネーゼ)らも加えた代表の“9番”争いはこれから激化するだろう。
指揮官のかつての愛弟子マリオ・バロテッリ(マルセイユ)は28歳になった。SNSで問題発言を続け、未だ公の精神に欠ける彼を再び代表の一員に加えるか、マンチーニには慎重な判断が求められる。
いずれにせよ、アズーリのセンターフォワードを巡る議論はこれからの予選を通じて活発化するにちがいない。