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東京V渡辺皓太、J1昇格と五輪へ。
“小さな巨人”が帰ってきた!
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/03/29 07:30
J2リーグ第5節徳島戦で怪我から復帰した渡辺皓太。今季から背番号「7」を背負う。
「絶対に入りたい」
今後、来年の東京五輪に向けての選手選考は絞り込みの段階に入っていく。
「オリンピックに出たくない人なんていないでしょう。日本の23歳以下で、その時点のベストメンバー。絶対に入りたい」
そう話す渡辺は、言葉の強さとは裏腹にのほほんとした様子で、表情からは決意のほどが読み取れなかった。
「自信は……ないです。ないから、もっとやらなければいけないと思う。試合でピッチに入ったら、自分のプレーに自信を持ってやります。あそこはそういう場所ですから。でも、ピッチの外では自分に自信なんて持てないです。これでいいと満足することはあり得ないので。攻撃も守備も足りないところばかりが次々に浮かんでくる」
まずはヴェルディでJ1へ。
J2ではどれほど結果を出しても、この渇望感が満たされることはないのだろう。さらに上のカテゴリーが存在し、そこの基準に照らせば、いかなるパフォーマンスもかすんで見える。
まずはJ1にステップアップし、そこで実績を残せば、以前から目標のひとつとしてきた海外への挑戦も視野に入ってくるはずだ。
「先のことはわからないですけど、僕はできればヴェルディから直接海外にいきたい」
そう語る渡辺はまたも伏し目がちで、おぼつかない口調。だが、生まれ育った東京VのJ1昇格に懸ける思い、前進への意欲は、ピッチに立てば一目瞭然になる。