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湘南・齊藤未月の褒めすぎに注意!
目標はカンテ、大先輩とも言い合う。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/03/28 10:30
イニエスタ相手にも臆さないチェックが話題になった齊藤未月。それくらいの強さを見せる有望株がいても、いい。
イニエスタと戦って感じたこと。
自分に厳しく、集団のことを考えているからこそ、周囲にも多くを求めるのだろう。その姿勢はリーダーシップにつながり、湘南だけでなく、腕章を巻いたU-19日本代表でも発揮されている。
166センチ・66キロのセントラルMFは、小柄な身体から熱を発しながらプレーする。スキルとタフネス、インテリジェンスが問われる中盤の戦場で、自分より大きな相手の前に立ちはだかり、アンドレス・イニエスタら、真のビッグネームにも怯むことはない。
「(イニエスタは)本当の意味で、世界のトップ。シンプルにうまかったです。常に顔が上がっているから、彼の間合いになると奪うチャンスはほぼゼロ。だからボールが入る時を狙うしかないんですけど、トラップした瞬間もなかなか取れないんです。
(昨季の対戦では)90分を通して2、3回しか奪えなかったし、良い形ではなかった。組み立ての中心にいる彼のような選手からボールをしっかり奪い、一気にカウンターにつなげて、さらに自分が決定機に絡めるようになりたいです」
今季リーグ戦で4試合フル出場。
今季はここまでのリーグ戦で全試合にフル出場。FC東京戦ではアンダー世代代表の同僚の久保建英と、鹿島アントラーズ戦では湘南の先輩の永木亮太と激しくやり合った。
今回も残念ながら途中離脱となったが、代表選出にあたりクラブからリリースされた内容は、飛び級で初参加する選手とは思えないほど頼もしかった。
「U-22代表に行くのは初なので、嬉しいし、光栄に思います。チームの中で自分の存在を示せるよう、泥臭くギラギラした気持ちで臨みたい。また、しっかりとリーダーシップを発揮できれば」
彼なら、今後もきっと浮き足立つようなことはなく、着実に成長を遂げていくのではないだろうか。