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<僕たちの イチ論。>
クリスチャン・イエリッチ
「初めて見た大切な贈り物」

posted2019/03/25 06:00

 
<僕たちの イチ論。>クリスチャン・イエリッチ「初めて見た大切な贈り物」<Number Web> photograph by AFLO

2016年8月7日、MLB史上30人目となる通算3000本安打を達成した。イエリッチ(右から2人目)も祝福。

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ブラッド・レフトン

ブラッド・レフトンBrad Lefton

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 そのプロ意識の高さに選手たちは感化される。
 マーリンズ時代のチームメートにして昨季ナ・リーグMVPもそんな一人である。

 クリスチャン・イエリッチが2016年9月9日にマイアミ・マーリンズのクラブハウスに到着したとき、自分のロッカーに漆黒のバットが丁寧に置かれていることに気付いた。

 そのバットには銀色の文字で、その年の8月7日に達成されたメジャー通算3000本安打をサポートしてくれたことへの感謝のメッセージが、イチローのサインとともに書かれていた。クラブハウスを見渡すと、すべてのロッカーの前に、同じようにバットが置いてあった。

 イエリッチはこれまでにも数本のサイン入りバットをもらったことはあるが、それらは自宅の部屋の隅に置いてあるだけで、どのように飾るかをまだ決めていない。

 だが、イチローからもらったバットだけはすでに特別に保管しているという。

「どれも飾らないといけないけど、イチローからもらったバットはもうガラスのケースに入れて壁に飾ったんですよ」

 とイエリッチは説明する。

「3000本を打った選手と一緒にプレーできることすらすごいのに、そんな選手から記念品をもらうなんて、ましてや感謝されるなんて、もう、こんなに嬉しいことはないですよ。しかも、それがあんなにも良いチームメート、イチローですから。絶対に一生の宝物です」

 イエリッチがイチローの3000本安打を目の当たりにしたときはまだ24歳で、そうした歴史的な瞬間に立ち会った経験はなかった。

 イチローの行動は、今でも強くイエリッチの印象に残っている。

「試合への臨み方やチームメートとの接し方など、すべて見本になりました。彼のプロ意識についてはずっと観察してきましたし、これからも少しでもイチローと同じようにしていきたいと思っています」

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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