ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
ゴルフ界のホープ、22歳の星野陸也。
目指すは賞金王、PGA、東京五輪。
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2019/03/22 07:00
あどけなさがどことなく残る星野陸也。新人時代から将来を嘱望される22歳にとって2019年は飛躍の1年となるか。
「ヤバイ、早く優勝しないと」
今だから言える。
「自分でも言いようがないくらい、めっちゃプレッシャーがかかっていたんです。応援されるのはうれしいですけど、その分『ヤバイ、早く優勝しないといけない……』って。『でもオレ、まだツアー2年目なんだけどな、なんでこんなに焦っているんだろう』とも思っていました」
忘れ物、貴重品の一時紛失が多いなど、性格の“天然ぶり”が目立つが、人知れず重圧と戦っていた。
ひとつのタイトルは安息の材料。ただ、それも一時のものでしかない。キャリアの終着点ではなく、通過点と考えられなければ成長はそこまでである。星野にはいま、また別の焦りが生まれてもいる。
年が明け、1月からハワイでの米ツアー・ソニーオープン、シンガポールでの日本ツアーという連戦に臨んだ。その後、ニュージーランドでのアジアンツアーに出場し5位でフィニッシュ。海外での試合を経験するうちに、自分が必ずしも若くない、と実感した。世界では同世代の活躍が目立つからだ。
「それに、やっぱり同世代でうまくいっている人を見ると、みんな体つきがいいんですよね。PGAツアーに出て、よく分かった」
ロングドライブが魅力の一方で。
星野は186cmと長身にもかかわらず、体重は70kg台中盤。全身をムチのようにしならせてロングドライブを連発する特長がある(昨季ドライビングディスタンス部門7位の平均295.51yd)。一方で、アスリート化が進む海外の選手に比べると、体格で見劣りするのも確かだ。
「体づくりが一番」
それは自分の戦いぶりを振り返ってみても、痛感するという。
「去年は7試合予選落ちをしたんですけど、4試合は体に問題があった。(うち)2試合は体調不良、2試合は“寝違え”で……」
それでも体調さえ整えば、戦える自信はついた。だからこそ、基礎固めにもう一度取り組みたい。
「強い体ができないとうまく行かないと思う。向こう(海外)に行ったときに、日本とは(種類が)違う芝でたくさん練習をしたい。でもそのための体力がないと、練習もできないんです」