体格も表情も逞しさが増した。

　サッカー選手としての実力だけではない。ジャニーズ張りのルックスもあり、滝は清水の若手選手のなかでも1、2を争う人気選手だ。

　そして何より、家族思いの一面も持ち合わせる。シーズンオフにはこれまでの感謝もあり、家族で海外旅行に出向いたという。かつてサッカー少年だった父親は、下部組織時代から遠いアウェーの地での試合にも頻繁に応援に駆けつけてくれた。そしてチームを勝利に導く今季3点目を決めた磐田戦も、スタンドから声援を送ってくれた。

「後押ししてくれた親のためにも、ほんとうにゴールを決められて良かった」。

　一瞬の間の後、感謝の思いを噛みしめるように絞り出した一言だった。

　もちろん、優しさだけではない。クラブ関係者は「いつも笑顔でやさしい表情だけど、負けたくない気持ちも人一倍ある。そのたくましさは年々右肩上がりだ」と話す。

　身長168cm、体重はプロ1年目の昨年から5kg増量した61㎏だが、小さな体から溢れ出る闘志で、U-20W杯、五輪、その先にはフル代表入りも虎視眈々と見据える。

　今季公式戦出場4試合で3ゴールした勢いで、ここから一気に世界舞台を掴み取る。