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メジャーのオープン戦で試験導入。
「20秒ルール」に日本人投手たちは?
posted2019/03/17 09:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
AFLO
試合時間の短縮を目指すMLB機構が、今春のオープン戦から「ピッチクロック」と呼ばれる20秒ルールを試験的に導入した。
投手がマウンド上で捕手からボールを受け取った瞬間、時計が動き始め、投手は20秒以内に投球動作に入らなくてはならないという前提でスタートした。
現段階では、あくまでもテストであるため、「オーバーした場合に1ボール」などのペナルティーはない。
だが、将来的に導入されると、日本人メジャーリーガーを含めほぼ全選手が改善を強いられることになる。
MLBのデータサイト「ファングラフス」によると、昨シーズン、最低30イニングを投げた468人中、投球間隔が平均20秒以下だった投手はわずか6人。その数は全体の1.3%にも満たない。逆に30秒以上の選手も6人。日本人選手は、ドジャース前田健太(27.0秒)、ヤンキース田中将大(27.0秒)、エンゼルス大谷翔平(26.7秒)、カブス・ダルビッシュ有(26.5秒)と、軒並みオーバーした数字が並んでいる。
選手の大半は拒否反応。
では、選手達はどう感じているのか。メジャーを代表する剛腕、ジャスティン・バーランダー(アストロズ=27.0秒)、マックス・シャーザー(ナショナルズ=24.2秒)らは早い時期から米メディアを通して激しい反対姿勢を打ち出すなど、選手側は概ね「拒否反応」を示していると言っていい。
3月3日のレンジャーズ戦に先発した前田は、意図的にテンポを速めて打者に向かった。
「基本的には、気にはなりますね。(時計が)目に入るところにあるので、今は極端に早めてみようかなとは思っています。意識すれば時間内に投げられますし、(ルールが)なかったらなかったで意識しなくていい。特に今は公式戦じゃないので、意識してやってみています。20秒がどれくらいなのかな、と時計を見ながらやるように今はやっていますけど、結構面倒くさいです」