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W杯出場を決めた選手たちが凱旋!
Bリーグで彼らの凄技を目撃せよ。
posted2019/03/02 10:00
text by
青木美帆Miho Awokie
photograph by
AFLO
ブレーキング・オブ・ドーン。
夜明けである。
「日本の夜明けぜよ」。そんな名言を残したのは、坂本龍馬だっただろうか。よくよく調べてみると、どうやら昭和のヒーロー・鞍馬天狗のようだが、まあいい。とにかく、男子バスケットボール日本代表は幕末の志士と同じように、新しい時代を迎えようとしているのだ。
2017年11月から1年半におよんだ、FIBAワールドカップのアジア地区予選。男子日本代表は4連敗スタートから怒涛の8連勝で巻き返し、13年ぶりのワールドカップ出場を決めた。
2006年のそれは自国開催で、出場権は何もせずとももらえた。世界で31枚。そのレアチケットを自力で手に入れるまでには、実に21年の歳月がかかった。
サッカー界、海老蔵も祝福。
この快挙を喜んだのは、関係者やバスケットファンだけではなかった。正念場となった2月21日のイラン戦に97-89で勝利すると、そのボルテージは主にSNSを通じて、より大きな世界へと伝染していった。
サッカー界では長友佑都や槙野智章、フェンシング界では太田雄貴らが彼らの活躍をツイート。地上波生中継された最終戦のカタール戦では、RADWIMPSの野田洋次郎、俳優の和田正人ら芸能人も続き、96-48と快勝しワールドカップ出場を決めた直後には、ツイッターのトレンドが男子日本代表の関連ワードで埋め尽くされた。
歌舞伎俳優の市川海老蔵も「日本めちゃくちゃ強い」というタイトルでブログを投稿しているが、これは彼とカタールのヘッドコーチが激似だったことに起因しているだろう。
25日の帰国時には、成田空港で200人超のファンが出迎え。ここまでに紹介したどれもこれもが、日本のバスケットシーンでついぞ経験したことのないものばかりすぎて、筆者は今も、竜宮城にでも来たのではないかという妙な感覚にとらわれている。