“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
コンサドーレ不動の10番・宮澤裕樹。
FW→トップ下→ボランチ→CBの心の旅。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/02/28 11:15
強いキャプテンシーでチームを牽引する宮澤裕樹。コンサドーレの精神的な核となり、チームの成績に責任を持つ立場となった。
「『やれ』と言われたら出来ちゃう(笑)」
取材の最後、筆者が「3バックの真ん中と言えば、ペトロヴィッチサッカーの肝となるポジション。守備力、ビルドアップ能力、パスセンス。この3つがないとミシャのサッカーで3バックの真ん中はできないと思うが?」と投げかけると、クールな表情の中にフッと笑みを浮かべ、こう切り返しながらバスに乗り込んでいった……。
「それを任せられていることは非常に嬉しいことですし、チームでそこでやれる自信はついてきていますから。自分の役割はきちんと分かっているつもりなので、そこで自分の能力を全部出し切って、チームの勝利に貢献したいと思います。
俺、『やれ』と言われたら、出来ちゃうから(笑)。あと、もうどんどんポジション下がっていっていますから、俺(笑)」
FW→トップ下→ボランチ→CB。
これ以上、下がるとなるとGKしかないだろう――それは冗談として、年齢を重ねるごとにポジションが下がっているということは、それだけチームにとって「支える」存在になっている証でもある。
彼の中で起きた意識変化は、まさに必然のものであったということだ。