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イチロー「この18年で飛距離は一番」
大谷ばりの打球を生む新フォーム。

posted2019/02/23 11:30

 
イチロー「この18年で飛距離は一番」大谷ばりの打球を生む新フォーム。<Number Web> photograph by AFLO

イチローは毎年のように自らの技術を更新し続けている。今年は格別のパワーを見せてくれそうだ。

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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AFLO

 温暖なキャンプ地、それがアリゾナ。

 なのに、この春は2月下旬を迎えても早朝は氷点下まで冷え込む。北部では雪が積もり、学校は休校になったと言う。

 マリナーズがキャンプを張るピオリアでも異常気象は続く。ひょうが降り、正午を迎えても体感気温は5度。観測史上例のない寒さに「寒いっしょ、寒い」と言いながらも、フリー打撃で本塁打を連発するイチローの姿がある。

 高々と放物線を描くイチローの練習に、昨季24本塁打を放った27歳の巨漢一塁手ライオン・ヒーリーは連日、驚愕の声をあげている。

「ヘイ、イチ! すげぇー、パワーだなぁ」

 イチローのフリー打撃が華麗なる本塁打ショーになるのは例年のことだ。なにも今に始まったことではない。27歳で海を渡ったメジャー1年目から誰もが目を奪われ、それは芸術の域に達していた。

 だが今キャンプ、彼は45歳を迎えた。この年齢で昔と変わらずにポンポンと柵越えを放つだけでも化け物と感じるが、メジャー18年目は今までお目にかかれなかった一撃が目立つ。それは“大谷翔平ばり”の中堅から逆方向への本塁打だ。

6、7割の振りでも際立つ打球速度。

 キャンプ初日。日本から米国に入り、まだわずか4日目。寒さの上に時差ボケも残った。

「ずっと寒いところ(日本)でやっていたので、急に調子こいてやるとね。それ(ケガ)は怖いのでね」

 フリー打撃ではフルスイングはせずに6、7割の力で振った。25スイングで5本の柵越え。だが打球速度は際立ち、左中間最深部フェンス最上段を直撃する一撃もあった。

 3日目。フリー打撃でイチローの相手を務めたのはナス・カブレラ打撃投手だった。イチローが“相棒”と称する恋人が、今キャンプ初めてボールを投げると1スイング目からタイミングがドンピシャであった。

 25スイングで8本の柵越え。圧巻は18スイング目からの特大弾3連発。左中間最深部を軽々と超える逆方向弾にはじまり、中堅バックスクリーン右への大飛球、フィニッシュは右翼フェンス遥か後方へと消えていく推定130メートル弾。乾燥気候でボールが飛ぶアリゾナと言えど、昨季までとの飛距離の違いは一目瞭然。それ以上に変わっていたのが打撃フォームだった。

【次ページ】 「この18年間で一番飛距離が伸びている」

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