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<それぞれの美学>
エースの三振論。松井裕樹「三振量産の秘訣は“便所座り”」
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byKYODO
posted2017/07/20 11:30
三振すなわち力勝負、という概念はもう古い。技術とパワーを高レベルで兼ね備える、現代を代表するエースたちは、三振というアウトの取り方をどう捉えているのだろうか――。
守護神の立場上、マウンドに上がる場面はいつも僅差である。たった一発で同点にされたり逆転されることだってある。だからこそ、松井裕樹は常に三振を意識する。
「リスクの問題なんで。もちろん、バットに当てさせないほうがそれは低くなりますし、やっぱり三振は狙っていきますね」
今季、その言葉を完璧に体現してみせた試合があった。4月25日のロッテ戦。2点リードの9回、3番の細谷圭、4番のマット・ダフィー、5番の鈴木大地を3者連続3球三振と、圧巻の奪三振ショーを披露した。「追い込んだら三振を狙っていく」。9球中空振りは7つと、まさに、有言実行のパフォーマンスだった。