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<名将対談>
原晋×渡辺康幸「箱根から世界へ」
text by
小堀隆司Takashi Kohori
photograph byNanae Suzuki
posted2016/05/13 06:00
(左から)渡辺康幸監督、原晋監督。
大学駅伝で活躍した学生ランナーたちが、東京五輪のマラソンでメダルを取るには? ともに箱根を制した監督が改革案を語り合う。
――今年の東京マラソンでは、マラソン初出場の青学大の下田裕太や一色恭志、東洋大の服部勇馬が日本人2~4位に入り、学生ランナーたちの活躍の場が、大学駅伝以外に広がってきているのを感じます。
原 僕は学生ランナーたちが箱根駅伝に留まるのではなく、もっと自分の持つ潜在能力を発揮して欲しいと思っています。下田も大学に入ってからすごく伸びて、歴代3位の記録で箱根の8区を走るだけでなく、東京マラソンでも日本人2位(2時間11分34秒)という結果が出せた。また、インタビューなどのメディア露出でも自由に発言させ、内面に潜む力を伸ばそうと思っています。今までの日本陸上界は、いわゆる修行僧的な発想で、喋るな、出るな、と。