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<復帰表明後、初の演技披露>
浅田真央 あのスマイルを、もう一度。 

text by

野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byAsami Enomoto

posted2015/08/13 06:00

<復帰表明後、初の演技披露>浅田真央 あのスマイルを、もう一度。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

ソチ五輪銅のコストナーやバンクーバー五輪銅のロシェットらと平和への祈りを込めた特別プログラム「Benedictus」を披露した。

1年の休養を経て今年5月に“復帰宣言”。浅田真央が再び、氷上に帰ってきた。彼女に復帰を決意させたのは何だったのか。

 リズミカルな滑りでリンクサイドに近寄ると観客と目を合わせ、滑りを止めた。じっと見つめながら間を取って、観客のほうが観念して恥ずかしそうに笑い出すと、今度は隣の観客へと目線を移す。浅田真央は、新しいエキシビション曲『踊るリッツの夜』で、心を躍動させていた。観客にアピールするというよりも、観客を翻弄する、そんな余裕さえ感じさせた。

 5月に現役続行を宣言後、初となるアイスショーのひとコマ。吹っ切れた様子でスケートを楽しむ浅田がそこにいた。この1年半の葛藤を払拭するような、爽快な滑りだった。


 ソチ五輪後の'14年5月、「やり切った気持ちでいっぱい」と休養を宣言すると、浅田は進退を決めずに1年を過ごした。

「迷うことの繰り返しでした。スケートから離れたいと思ったり、でも(7月のアイス)ショーがあってスケートから離れられなかったり。だから考え過ぎず、時の流れに身を任せていました」

 昨年7月のショーが終わってからはほとんど氷に乗らない日が続き、今年2、3月に行われた子供向けのスケート教室で久々に氷に降りると、浅田の中で何かが変わった。

「やっぱり自分にはスケートが欠かせない」


 思い立ったら行動は早い。すぐに佐藤信夫コーチに練習再開について相談すると、4月には憧れの先輩、伊藤みどりに質問した。伊藤は'92年アルベールビル五輪で銀メダル獲得後に引退したが、'95年に復帰しトリプルアクセルを成功させた。浅田にとって世界で唯一無二のメンター的存在なのだ。浅田はこう聞いた。

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夏の甲子園 百年の青春。

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