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廃品回収クラブから脱却。新生ミランが台風の目に。~チェルシーやPSG以上の初速で選手を絶賛獲得中~
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byAFLO
posted2017/08/01 16:30
ボヌッチ(右)ら名選手を多数獲得。移籍金総額は2億ユーロを超え、早くもスクデットに値するチームとの声も。
久々の熱気がミラネッロを覆っていた。新シーズン合宿初日、ミランの練習場の外には約5000人のファンが駆けつけた。ここ数年のミランは失望の連続で、かつては8万人近い集客も珍しくなかったホームのサンシーロはガラガラ。しかし今季はそんな光景も大きく変わりそうだ。
ミランは夏の移籍市場で破竹の勢いで選手を獲得している。ムサッキオ、アンドレ・シウバ、ケシエ、コンティ、チャルハノール、ボリーニらを次々と獲得、さらにはボヌッチとビリアまで加えた。7月中旬の段階で、投じた移籍金はすでに2億ユーロを超えている。チェルシーのアブラモビッチも、シティのマンスールも、PSGのアル・ケライフィも就任1年目にこれほどの額を投じたことはなかった。ここ数年は資金不足で、レアル・マドリーなどビッグクラブで不要になった選手を引き取る戦略で“廃品回収クラブ”とも揶揄されたが、新生ミランにその面影はない。メディアの評価も高く『イル・ジョルナーレ』紙は「ベルルスコーニとサッキ時代を思い出させる」としている。グランデミランの復権を夢見るのは元選手も同じだ。この夏にはかつてCLでも優勝したガットゥーゾがミランユースの監督に就任。GKアッビアーティもクラブマネージャーとなり、偉大なミランを肌で知る人材も戻ってきた。普段は辛辣なコメントが多いボバンも好意的に受けとめており、「これで下部組織からも小さいガットゥーゾがたくさん出てくるだろう。偉大な10番も出てくればそれに越したことはない」と笑う。