兄との競演が待ち遠しい。武幸四郎、第2の競馬人生へ。～難関・調教師試験に合格して騎手生活はあと少し～ 

　武幸四郎騎手が合格したJRAの調教師試験。馬学はもちろん、競馬法等の法規全般、果ては厩舎経営者となった時に必須の労働基準法に至るまで、出題の範囲は想像以上に多岐にわたる。付け焼き刃程度の勉強で勝負できる試験ではないことは、関係者なら誰もが知っている難関だ。その合格者リストに彼の名前があったものだから、受験していることさえ知らなかった多くの人たちはあからさまに驚きの表情を見せていた。騎手という命懸けの仕事をしながら、その合間に毎日長い時には10時間も机に向かい続けていた幸四郎の頑張り。父親譲りの飄々と生きているように見えるキャラクターイメージとは、それほど繋がりにくかったのだろう。