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リスクを恐れず大技に挑んだ、ジュニア女子2人の闘争心。~14歳紀平と16歳横井のトリプルアクセル対決~
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byKanami Yoshimura/PHOTO KISHIMOTO
posted2016/12/04 17:00
今大会は若さが裏目に出た紀平だが、12月のジュニアGPファイナルでの巻き返しを期す。
男子顔負け、という言葉が一番の賞賛になるだろう。ジュニアの日本一を決定する全日本ジュニア選手権(11月18~20日、札幌)で、世界最高の対決が行われた。女子によるトリプルアクセル対決である。
大技に挑んだのは、14歳の紀平梨花と16歳の横井ゆは菜だ。紀平は今年9月のジュニアGP大会で女子史上7人目の成功者となったばかり。飛ぶ鳥を落とす勢いの若手だ。一方で、横井は昨季の全日本ジュニア3位と、ジュニアの実力者。世界8人目を虎視眈々と狙っている。
トリプルアクセル対決への期待が高まる会場のファン。しかしこの全日本ジュニアは、全日本選手権(12月、大阪)と世界ジュニア選手権('17年3月、台湾)の選考会を兼ねている。誰しもが『順位』を重要視し、リスクある大技は回避する大会だった。実際に男子はジャンプを手堅くまとめる試合展開で、トリプルアクセルに挑戦したのが4名のみ、4回転の挑戦者は優勝した友野一希ひとり。まして女子選手であれば、トリプルアクセルは回避かと思われた。