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「3強」が早くも崩れてダービーは混戦模様に。~サトノの負けは次に繋がらない?~
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byKeiji Ishikawa
posted2016/05/15 08:00
川田はマカヒキ初騎乗。過去の鞍上は新馬戦がM・デムーロ、若駒Sと弥生賞はルメール。
超ハイレベルと言われる今年の3歳世代。その中でも格別に飛び抜けた存在と思われていたのが「3強」だったが、1冠目の皐月賞(4月17日、中山競馬場、芝2000m、GI)の栄誉に輝いたのは、その3頭ではなかった。
8番人気の伏兵、ディーマジェスティ(牡3歳、美浦・二ノ宮敬宇厩舎、父ディープインパクト)が、波乱の立役者だった。ゴール寸前、3強を一気に呑み込む鋭い末脚を繰り出した瞬間を振り返った蛯名正義騎手が、「うわ、かわしちゃうんだ」と、意外なほど高かった愛馬のポテンシャルを、素直な表現でそう述べた。3強という見立ては、皐月賞以前の段階では関係者も含めての共通の認識だったことが、この勝者のコメントからも浮かび上がってくる。勝つのは3頭のどれか、と誰もが思い込んでいたのだ。