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広島の多彩な攻撃力。~打率、本塁打、盗塁の3部門で2年連続のリーグトップが決定的~
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byNanae Suzuki
posted2017/09/07 08:00
8月23日、鈴木誠也が右足のくるぶしを剥離骨折し離脱。昨年MVPの新井貴浩、松山竜平らが4番に入り存在感を見せている。
プロ野球のセ・リーグは広島が2連覇へと着実に近づいている。25年ぶりの優勝を果たした昨年もそうだったが、いまの広島には、個人成績でひと際目立つ選手がいるわけではない。今年は鈴木誠也が打点部門でトップに立ってはいるが、8月17日時点(以下同じ)で110試合、88打点だから、ほぼ例年のタイトル獲得者と同等のペースである。投手の主要部門でもトップを独走しているような選手はいない。それでもチームは首位を独走しているわけだから、チーム全体としては、攻撃も守備も、よく成果を上げている、ということだ。
チームの打撃成績を見ると、ひとつ興味深いことがある。チーム打率、チーム本塁打、チーム盗塁という3部門で、いずれも広島がセ・リーグのトップに立っているのである。これはつまりアベレージ、長打力、機動力という3つの側面で、広島がすべてトップに立っているということで、長打による大量得点から、走力を駆使して1点を取る戦術まで、幅の広い攻撃力を持っているということだ。