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東京を起点にして描くスニーカーの歴史。~日本独自で進行した文化の変遷を追う~ 

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幅允孝

幅允孝Yoshitaka Haba

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photograph byWataru Sato

posted2016/04/25 08:00

東京を起点にして描くスニーカーの歴史。~日本独自で進行した文化の変遷を追う~<Number Web> photograph by Wataru Sato

『東京スニーカー史 Tokyo Sneaker History』小澤匡行著 立東舎 1500円+税

 アスリートの足元を支えるギアであるばかりか、ファッション的側面を含んだ日常ツールとして今の世の中に浸透し切っているスニーカー。さかのぼれば1917年に誕生したコンバース〈キャンバス・オールスター〉を皮切りに、ケッズが、ダスラー兄弟が、ニューバランスが、オニツカが、皆の履き続ける名作スニーカーを次々と生み出した。

 しかし、本書が独特なのは第2章以降。それらの靴がどう東京の文化と交わったのかに力点が置かれている点にある。


 東京のスニーカー黎明期は、40年程前から動き出す。'76年に創刊した雑誌「ポパイ」やセレクトショップの起源「ビームス」が、新興勢力のナイキやジャックパーセルを大きく紹介。反戦ムードから一変、スニーカーを履いてジョギングする健康志向へとライフスタイルを変化させていたアメリカの空気は、最新ファッションとして東京の若者へと伝わった。

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