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バレー石川祐希、イタリアで変貌。
「代表でもバトルがあっていい」

posted2019/02/22 11:30

 
バレー石川祐希、イタリアで変貌。「代表でもバトルがあっていい」<Number Web> photograph by Takahisa Hirano

プロ選手としてイタリア・セリエAのシエナでプレーする石川。高いレベルの中で日々挑戦し続けている。

text by

田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

PROFILE

photograph by

Takahisa Hirano

 助走から迷いがない。

 高い打点でボールをとらえるだけでなく、腕もよく振れ、床に叩きつけられたスパイク音の響きが重い。

「調子は悪くないし、上がっています。でもなかなか勝てない。それじゃあダメですよね」

 チームの成績は14チーム中13位、21試合を終え2勝19敗と厳しい状況ではあるのだが、各国の代表選手が揃う世界のトップリーグでケガもなくほぼフル出場。プロのバレーボール選手としてスタートを切った今季、セリエA1に昇格したばかりのシエナでプレーする石川祐希の表情は明るい。

大げさでなく、チームの軸に。

 大げさではなく、チームで攻守の軸を担っているといっても過言ではない。

 2月2日、ホームで迎えたパドヴァ戦も1、2セットを落とし、3、4セットを連取。最終セットに入る前のわずかなセット間、ベンチの前では石川の対角に入る元イタリア代表のウィングスパイカーであるクリスティアン・サバーニと、イラン代表のセッターで主将も務めるサイード・マルーフと3人で小さな輪をつくった。

「プロ1年目の今シーズンは試合に出続けることを目標に掲げてきて、現段階ではちゃんと実現できています。だからフルセットに入る前の大事な場面でもマルーフから声をかけてくれるし、要所でトスを上げて、頼ってもらえる。それがチームの中心でいられるということにもつながっているのだと思いますし、やっと自分の普通というか、カラダをかばうことなくプレーできている実感はあります」

 試合はフルセット負け。「もったいない」と苦笑いを浮かべたが、うなだれるのではなく堂々と話す姿は、充実感で満ち溢れていた。

【次ページ】 どこかしら痛いのが当たり前だった。

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