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DeNAに問われる東克樹の左肘ケア。
昨季は濱口、今永が故障で出遅れ。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2019/02/21 07:30
石田健大、今永昇太、濱口遥大ら先発左腕を多く抱えるDeNAだが、昨季は故障や不調に苦しんだ。
昨季は濱口、今永が……。
すでに2年目のジンクスに見舞われている状況と言ってもいいが、シーズンは長い。巻き返すチャンスはいくらでもある。
ただ、首脳陣に言いたいのは、東の起用には慎重になってもらいたいということだ。昨季、開幕前に左肩の違和感で出遅れた濱口は、シーズン後半になるまで調子を取り戻すことができなかった。
同様に今永昇太は、左肩を無意識にかばうあまりにフォームを微細に狂わし、ついにはシーズン終わりまで本来の姿を見せることはなかった。
とくに今永は、過去の実績はもちろんストレートの最速が前年並みだったことから首脳陣は起用に踏み切っていたようだが、チーム事情があったにせよ、もう少し今永のメカニズムと迷い揺れ動く心情を読みとる必要があったのではないか。
こと東に関しては、大学時代も左肘を故障していることを考慮し、より細かい見極めと判断を求めたい。エース候補の将来のためにも。
リハビリに臨む中での反骨心。
大観衆の見守るマウンドに立っても一切緊張することなく、ファンの声援を力にする強心臓の持ち主。東に、試合に挑むうえでの原動力は何かと尋ねると「反骨心ですね。今に見てろよ、という気持ちでやってきましたから」と快活な表情で語る。
学生時代、小柄だった東はその体格ゆえに「伸びしろが残っていない」などと言われたが、それを覆す成長を遂げ、評価を上げてきた。
嘉手納で黙々とリハビリをする東の胸の奥には、反骨心が脈を打ってうごめいている。逆境こそ成長のチャンス。昨季、東の影に隠れ力を発揮できなかった投手たちの復活を願い、ここは焦ることなく新人王の帰還を待ちたい。