プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
IWGP王者・棚橋弘至に感じる不安。
2月の大阪で思い出す、あの敗北感。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2019/01/30 11:30
一旦はオカダ・カズチカ時代へ傾いた流れを、一気に引き戻してみせた棚橋弘至。この栄光は、いつまで続くのか?
タッグで勝てても、初防衛戦は分からない。
ホワイトには2018年9月の神戸大会以降、散々いたぶられた。オカダと共にこれでもかというくらいやられて、その結果オカダと棚橋は「友達タッグ」を結成することになったが、結局1つも勝てなかった。
2月2日の札幌大会・北海道立総合体育センター(北海きたえーる)では大阪の前哨戦的にオカダ、棚橋組vs.バッドラック・ファレ、ホワイト組の対戦が組まれている。だが、新日本のトップであるはずのタッグチームが勝てる保証はどこにもない。
もし、これに勝てたところで、大阪での初防衛戦を乗り切れる保証はどこにもない。
4月にはニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでのビッグマッチが予定されているし、棚橋はこの10月にはレスラー生活20周年を迎える。そんな記念の年に、やっと取り戻したエースの座とIWGPのベルトをたやすく失うことなど考えたくもないだろう。
でも、嫌な予感を私は感じている。
2019年2月11日、大阪府立体育会館。42歳の棚橋が26歳のホワイトの挑戦を受ける。チケットはあっという間にソールドアウトした。
脳裏に刻まれた7年前の出来事が、また浮かび上がってきた。