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<アントラーズの栄光と共に>
神様が怒った「Jリーグ開幕」

posted2018/12/29 12:00

 
<アントラーズの栄光と共に>神様が怒った「Jリーグ開幕」<Number Web> photograph by KASHIMA ANTLERS

text by

北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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KASHIMA ANTLERS

 チケットはプラチナ化し、練習場にも人が溢れた。
 プロサッカーリーグ開幕の興奮と混乱の中で、勝者としての確固たる基盤を築いたクラブがある。
 鹿島アントラーズ。その中心に、王国の10番がいた。

 ジーコが、いた。

 ほかの誰でもない。かつてサッカー王国ブラジルの10番を背負い、「神様」とまで呼ばれた男が、圧倒的な存在感を放って、そこに立っていた。

 1993年、元号では平成5年である。バブルがはじけたばかりの日本に、プロのサッカーリーグが誕生した。構想から足かけ6年で築き上げたJリーグだ。

 熱狂が渦巻いていた。

 都市も地方もない。試合会場はどこもかしこも、人、人、人である。開催日になると、チケットを握りしめた人々が次から次へと押し寄せ、スタジアムに呑み込まれていく。ほんの数年前までスタンドに閑古鳥が鳴いていたのがウソのようだった。

 このお祭り騒ぎをメディアが放っておくはずもない。おびただしい数のカメラマンが詰めかけ、地上波テレビでは専門番組まで立ち上がり、サッカー関連の書籍や雑誌が次々と発行される。

 まるで日本が一夜にしてサッカー大国にでもなったかのようだ。

 ピッチでは緑の芝が映え、スタンドでは色鮮やかなフラッグがはためき、ゴール裏からはサポーターの息の合ったチャントが聞こえてくる。夢かうつつか。これまでにない劇場空間が、そこにあった。

 もちろん、あの日もそうだ。

 5月16日、日曜日。鹿島アントラーズがカシマスタジアムに名古屋グランパスエイトを迎えた、記念すべき一戦である。前夜に開催されたヴェルディ川崎─横浜マリノスに続く、Jリーグ開幕戦だった。

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<スポーツブーム平成史>熱狂を超えろ。
鹿島アントラーズ
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