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札幌の内村圭宏、ザスパの松下裕樹……。
トライアウトから始まる新たな物語。
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byTetsuro Kaieda
posted2018/12/18 08:00
コンサドーレ札幌にあって怪我で活躍の機会を奪われていた内村圭宏。完全復活した今、捲土重来を期す。
故障も癒え「もうすっかり大丈夫」。
プロ16年間で積み上げた数字は、Jリーグ通算387試合89得点。本来、この場に立つ必要もないほど、立派な看板を持っている。
「出場機会が少なくなり、最近、あいつの名前を聞かないな、故障持ちなのかと周りから思われているはず。実際にプレーしているところを皆さんに見てもらい、そのイメージを払しょくしたかった」
今季、札幌はクラブ史上最高となる4位の成績を収め、ACL出場権の獲得まであと一歩に迫った。一方、内村はわずか1試合の出場に終わっている。
「試合に出られないなかでも学んだことは多くありました。自分のプレーを見つめ直す、いい機会だったと思います。コンディションの面では9月に右足首を痛めて、それが思ったより長引いてしまって。
今日は久しぶりに痛みを気にせずプレーできましたね。もうすっかり大丈夫です。欲を言えば、周りを使うだけではなく、自分でゴールを決めたかった」
選手だけでなく、監督もこの場に。
捲土重来を期すのは選手だけではない。
2017年、就任初年度からブラウブリッツ秋田をJ3優勝に導いた杉山弘一監督は、今年7月、チームの成績不振により解任。来季はJFLの奈良クラブを率いることになり、トライアウトの視察に訪れていた。
「クラブの体制が大きく変わり、新たなプロジェクトに共感できたのが仕事を引き受けた理由です。
また、もともと自分は大阪に育ててもらった人間なんですが、プロになってからは地元で関りを持ったことがなかったんですね。関西からもうひとつJクラブを生み出す。それも動機のひとつでした」