中央学院大学

＜前回大会10位＞　17年連続20回目

顕著な成長を見せる下級生。
上級生の主力選手の復調がカギ。

文＝別府響（文藝春秋）

「今回は特に、例年以上に選手が金太郎飴状態ですので、厳しい戦いになると思います。強みは16名のエントリーの内、12名が学生三大駅伝を経験しているということぐらいかなと思います」

　川崎勇二監督は厳しい表情でそう現在のチーム状況を語った。主力の横川巧（3年）、高砂大地（3年）の二枚看板をコンディション不良で使えない中、出雲駅伝では下級生が奮起し総合6位に食い込んだ。だが、続く全日本大学駅伝では横川、高砂に加えて今季チームを牽引してきた川村悠登（3年）も欠き、3年ぶりのシード落ちとなる14位に沈んだ。

　歯車が狂い始めた理由は、今季前半に意識的に走り込みの量を増やしたこと。20km超の距離に対応しようとするあまり、これまでよりも走行距離を増やした結果、秋以降に故障者が続出してしまった。チームの箱根駅伝に対する熱い想いが逆に悪い方に流れてしまった格好だ。

川崎監督に焦りは微塵もない。

「背伸びをするのが一番、良くない。無理をするよりもいかに余裕をもって毎日のトレーニングを継続できるかが重要」

　常々そう語っていた川崎監督にしては珍しいケースではあるが、そこは箱根駅伝で4年連続シード権を獲得している名伯楽のこと。焦りは微塵も見せることはない。

「もともと今回は横川、高砂は駅伝シーズンに間に合わないつもりで考えていましたから。その一方で出雲、全日本を経て下級生がしっかり育ってきている。大舞台を経験できたことは大きかったと思います」

　その言葉通り全日本では高橋翔也（2年）が1区で区間賞と秒差の6位と流れを作る快走。ルーキーの栗原啓吾も2つの駅伝をともに区間一桁順位で走りきるなど、主力に成長しつつある。高橋は箱根駅伝本大会に向けてはこう語っている。

「箱根本大会では2区を走って各大学のエースと勝負がしたい。気持ちで負けてはだめだと思うので、誰が相手でも学年関係なく強気の走りができればと思っています」