“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
横浜FCと瀬沼優司がJ1を逃して涙。
東京V戦、終了間際の2つのプレー。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/12/07 07:00
2007シーズン以来のJ1返り咲きを果たせなかった横浜FC。瀬沼優司も奮闘していたが……。
まだ早いと言われているのかな。
計り知れない悔しさに打ち震えていた。同時に現実として受け止めなければいけないことも分かっていた。その狭間で瀬沼は激しく揺れ動いていた。
事実は変わらない。だが、彼はプロ7年目にして間違いなく飛躍的な成長を遂げた。この事実も変わらない。勝負を分けた2つのプレーにも、瀬沼の高いクオリティは見えたのだから。
「“まだ早いぞ”と言われているのかな……。今のポジションは相当運動量を求められますし、もし30歳過ぎてからだったら、こなせなかったかもしれない。毎年、毎年が勝負ですけど、来年、再来年こそがJ1に挑戦して戦える最後のチャンスだと思っています。今年感じた成長と未熟さを糧に、新たな気持ちとJ1への想いを持ち続けて、リスタートします」
瀬沼はそう語ると、握手を求めてきた。交わした握手に強い想いを感じながら、彼は筆者の前を去って行った。
プロとしての厳しさと希望を背負ったその背中は、非常に大きく見えた。